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変形性股関節症

変形性股関節症は、加齢や関節の使いすぎ等が原因で進行する股関節の病気です。痛みや動きの制限が生活に影響を与える前に、症状を理解し、適切な治療や予防法を知ることが重要です。ここでは、症状の特徴から治療法、予防法まで詳しくご紹介します。

目次

変形性股関節症とは

変形性股関節症は、日本人の股関節の病気の中で最も多く見られる疾患で、関節の軟骨がすり減ることで股関節が変形し、痛みや動かしにくさが生じる病気です。関節の軟骨は骨同士の摩擦を防ぐクッションのような役割をしていますが、加齢による軟骨のすり減りや運動や仕事でかかる過度の負荷、遺伝的な要因で股関節が変形してしまいます。


変形性股関節症は、加齢や遺伝等が原因として考えられるものの、特定される外傷や疾患がはっきりとしない「一次性」と、特定のケガや疾患、股関節の形成不全が原因となる「二次性」に分類されます。進行すると歩行や階段の昇り降りも困難になるため、早期の治療が大切です。

変形性股関節症の原因

変形性股関節症の原因はさまざまですが、主に以下の3つが挙げられます。

 

加齢等による軟骨の摩耗

生まれつき股関節の受け皿が浅い「臼蓋形成不全」

股関節への過度な負担。重い荷物を持つ仕事や激しいスポーツなど、日常的に大きな負荷がかかる生活

 

これらの要因は複合的に関係し、変形性股関節症の発症・進行に影響を及ぼします。

臼蓋形成不全とは...

臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)とは、生まれつき股関節にある寛骨臼の受け皿(臼蓋)が浅く、太ももの骨(大腿骨)の骨頭を十分に覆えていない状態を指します。これにより股関節にかかる力が分散されず、軟骨がすり減りやすくなります。


特に女性に多く見られ日本人の変形性股関節症の大きな原因の1つとされています。無症状のこともありますが、年齢とともに痛みや変形を引き起こすリスクがあります。

一次性と二次性の違いは?

変形性股関節症は原因の有無によって「一次性」「二次性」に分類されます。

 

一次性は、明らかな原因となる病気や外傷等がなく、中高年以降の方、肥満気味の方、スポーツや肉体労働を日常的に行う方に多く見られる。

二次性は、臼蓋形成不全や発育性股関節形成不全、ケガの後遺症など、明確な基礎疾患や外傷が関与しているもの。


どちらも男性より女性に多く、筋肉量や骨盤の構造の違いにより、女性の発症リスクは男性の2倍といわれています。

変形性股関節症の症状

変形性股関節症は、進行段階によって症状が変わります。

 

初期は、長時間歩いた後や立ち上がるときに股関節に軽い痛みを感じる程度であることがほとんどです。

 

進行期になると、痛みが強くなり、歩行や階段の昇降、靴下を履く動作等、日常動作に支障をきたすようになります。股関節の可動域も狭くなり、正座やあぐらが困難になることもあります。

 

末期では、安静にしていても常に痛みを感じるようになり、夜間痛や激痛があり、日常動作への支障が現れて、杖が必要になるケースもあります。この段階では、軟骨がほとんど消失し、股関節の変形も著しくなっている状態なので、こうなる前に早期の受診を心がけましょう。

変形性股関節症の検査と診断

変形性股関節症の診断では、まず問診で症状の経過や痛みの程度、日常生活への影響などを確認します。その後、関節の可動域や動かしたときの痛みを調べる触診が行われます。画像検査としては、まずX線(レントゲン)検査を行い、関節の隙間の狭まりや骨の変形の有無を確認します。

 

さらに詳しい評価のために、MRI検査等が行われることもあり、これにより軟骨や周囲の筋肉、靱帯の詳細な状態が把握できます。

変形性股関節症の治療法

保存療法

保存療法は、痛み可動制限等の症状の緩和と進行の抑制を目指す治療法です。主に薬物療法(痛み止めや消炎鎮痛剤の内服・外用)や、運動療法(ストレッチや筋力トレーニング)、物理療法(温熱療法や電気治療)等が行われます。また、体重管理や生活習慣の改善も重要となります。股関節への負担を軽減することで、症状を和らげ、進行を遅らせる効果が期待されます。

手術療法

保存療法で十分な効果が得られない場合や、日常生活に支障をきたすほど症状が進行した場合には、手術療法が選択されます。主な手術には骨切り術人工関節置換術があります。

 

骨切り術:関節の骨を切って位置や角度を調整し、負担のかかる関節の部位を変えることで症状を改善します。比較的若い方や変形の度合いが軽い方に適応します。

 

人工関節置換術:損傷した股関節を人工の関節に置き換える手術で、痛みの軽減と可動域の回復が期待できます。従来、高齢の方や変形が重度の方が選択する手術でしたが、骨切り術よりも早期に日常生活への復帰が可能なため、若い方で選択されるケースも増えています。

痛いからと言って安静にしすぎるのは危険!!

変形性股関節症で痛みがあるからといって、安静にしすぎることは逆効果です。股関節周囲の筋肉や関節が動かさないことによって固まり、可動域がさらに狭くなることがあります。動きが制限されて筋肉が弱くなることで、股関節にかかる負担が増し、症状が悪化する恐れもあります。

 

適度な運動やリハビリで、筋力を維持することが、痛みの軽減や関節の負担を軽くする助けになります。ただし過度な負荷や運動内容によっては逆効果になることもあるため、医師や理学療法士の指導を受けながら適切に進めましょう。

変形性股関節症の予防法

変形性股関節症を予防するためには、日常生活での注意が重要です。股関節へ過剰な負荷をかけないよう、正しい姿勢を保つよう心がけ、肥満に注意しましょう。また、無理な運動は避ける必要がありますが、水中ウォーキングやストレッチなど、股関節への負担が少ない運動で、股関節周りの筋力や関節の安定性を維持するよう心がけてください。骨の形成に必要なカルシウムやビタミンD、ビタミンK等を含んだバランスのよい食事をとることも推奨されます。

まとめ

変形性股関節症は、症状が進行する前に適切な治療をすることで、悪化を防ぐことが大切です。初期の段階の保存療法で症状が改善しない場合は、骨切り術や人工関節置換術といった手術療法が必要となります。 予防には、股関節に過度な負担をかけない生活習慣とバランスの取れた食事、適切な運動が効果的です。日常生活に支障をきたす前に、早期に整形外科で相談し、股関節のスムーズな動きを守りましょう。

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この記事の監修者
日本整形外科学会認定 整形外科専門医
小川 祐人

大学病院や総合病院で整形外科診療を重ね、埼玉メディカルセンターに約10年勤務。脊椎手術は累計1,700件以上(腰椎1,100件、頸椎520件、その他80件)、その他手術も460件以上の執刀経験を持ちます。整形外科専門医・脊椎脊髄病認定医・名誉指導医などを有し、首や腰の疾患を中心に幅広い整形外科疾患に対応しています。

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