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変形性肘関節症

肘の痛みや動かしにくさが気になりはじめた方は、変形性肘関節症を疑ってみましょう。

 

変形性肘関節症は、放っておくと日常生活に支障をきたし、場合によっては手術が必要となります。初期段階での診断と治療が、進行を防ぐ鍵となります。肘の違和感を感じたら、早めの受診をおすすめします。

目次

変形性肘関節症とは

変形性肘関節症(へんけいせいひじかんせつしょう)とは、肘関節の軟骨がすり減ることにより、肘に炎症や骨の変形が起き、痛みや動きの制限が現れる疾患です。

 

スポーツ選手や手作業の多い職業の方に多く見られます。肘関節は、日常生活における物の持ち上げや曲げ伸ばし、回旋など様々な動きに関与しているため、関節の変形や可動域の低下は生活の質に大きく影響します。

 

初期段階では自覚症状が少ないこともありますが、進行すると肘の動きが悪くなったり、強い痛みを伴ったりすることがあります。変形性肘関節症は進行性の疾患であるため、早期の診断と適切な対処が重要となります。

変形性肘関節症の原因

変形性肘関節症の主な原因は下記になります。

  • 加齢による関節の変生
  • 過去の外傷(肘の骨折・脱臼)
  • 肘をよく使う職業(大工・調理・清掃)
  • 激しいスポーツ(野球・テニス・柔道)
  • 細菌感染

変形性肘関節症の原因には、加齢による関節の変性過去の外傷職業的な理由からの肘の使いすぎ等が挙げられます。

 

特に長年にわたり肘に負担がかかる動作を繰り返してきた人に多く見られ、野球、テニス、柔道などのスポーツや、大工、調理、清掃といった手作業が中心の仕事に従事している方が発症しやすい傾向にあります。

 

また、過去に肘の骨折や脱臼、関節内骨折などの外傷を経験した場合、関節内で軟骨の損傷や関節の不整が残ることで、変形性肘関節症へと進行することがあります。細菌感染による関節炎が変形性肘関節症の引き金となったケースも報告されています。加齢による関節軟骨や周囲組織の衰えも発症リスクのひとつと考えられています。

変形性肘関節症の症状

変形性肘関節症の主な症状は下記になります。

  • 肘の痛み
  • 可動域の制限
  • 運動時の違和感、引っ掛かり感
  • 肘の曲げ伸ばしがしづらい
  • 異音(クリック音)が鳴る
  • 手のしびれ、筋力低下

初期の段階では、重いものを持った時や使いすぎた後に鈍い痛みを感じる程度ですが、徐々に日常的な動作でも痛みを伴うようになります。進行すると、肘の曲げ伸ばしがしづらくなり、可動域が著しく制限されるため、洗顔や食事動作、服の着脱といった日常生活にも支障をきたします。

 

また、骨の変形が進むと関節内に骨棘(こつきょく)と呼ばれる棘のような骨が現れ、関節の動きを妨げるほか、引っかかり感や関節内での異音(クリック音)を生じることもあります。

さらに症状が進行すると、安静時にも痛みを感じるようになり、夜間痛に悩まされることも。神経が圧迫された場合は、手のしびれや筋力低下で物がつかめない、といった神経症状を伴うこともあります。

変形性肘関節症の検査と診断

変形性肘関節症の診断には、まず問診と視診・触診を行い、肘の痛みの部位や症状の出方、可動域の程度を確認します。そのうえで、画像検査としてX線(レントゲン)検査を実施し、肘関節の隙間の狭小化や骨棘(こつきょく)、骨の変形や硬化の有無を評価します。骨棘は、鉤状突起と肘頭周囲や腕尺関節内側に多くみられ、関節内には遊離体(関節ねずみ)がみられることもあります。

 

軟骨や靱帯、神経の状態を詳しく確認するにはCTやMRI検査が有効です。CTは骨棘や遊離体の位置や大きさ等を把握するのに有効で、他の疾患との鑑別が必要な場合にはMRIによる精密検査を行います。症状の原因が明確でない場合には、血液検査などでリウマチ等他の疾患の可能性を除外することも重要なポイントとなります。

変形性肘関節症の治療法

変形性肘関節症の治療は、症状の程度や生活への影響を踏まえ、基本的には保存療法で行います。

 

保存療法でなかなか改善が見られない場合、手術療法や再生医療を検討します。近年では、PRP療法に代表される再生医療が注目されており、患者様の症状や希望に応じて、適切な治療法を提案いたします。

保存療法

保存療法は、症状が軽度〜中等度の場合にまず行われる基本的な治療法です。まずは三角巾や装具を用いて固定・安静状態を保ち、消炎鎮痛剤の内服や湿布、ヒアルロン酸注射といった薬を使用する薬物療法、温熱や電気を利用する物理療法、筋力トレーニングやストレッチで可動域を整える運動療法(リハビリテーション)を組み合わせて治療を進めます。

 

日常生活では肘に負担のかかる動作を控え、家庭でのストレッチ等も併せて行うことで、痛みの軽減と機能回復を目指します。

手術療法

保存療法で十分な効果が得られない場合や、強い痛み・著しい可動域制限がある場合には、手術療法を検討します。直視下と関節鏡視下で行う方法があり、手術で骨棘や遊離体の切除・摘出を行います。進行した症例では人工関節置換術を行うこともあります。患者様の年齢や症状、生活レベルに応じて最適な手術法を選択し、術後はリハビリを通じて機能回復を目指します。

再生医療(PRP療法)

再生医療のひとつであるPRP療法(自己多血小板血漿注射)は、患者様ご自身の血液から採取した血小板を痛みの原因となる部位に注射し、自然治癒力を高めて組織の修復を促す治療法です。保存療法で十分な効果が得られなかったが手術には抵抗があるという方の選択肢として検討されます。副作用が少なく、外来での処置が可能な点も魅力です。

変形性肘関節症を予防するには

変形性肘関節症を完全に防ぐことは難しいですが、進行を遅らせたり発症リスクを軽減することは可能です。まず、日常生活や仕事、スポーツにおいて肘への負担を減らすことが重要です。

 

反復動作を伴う作業では、こまめに休憩をとる、肘に無理な力をかけないよう工夫する、サポーターを使用するなどの対策が効果的です。また、筋力のバランスを整えるために、肩・肘・手首周囲のストレッチや筋トレを継続することも大切です。

 

過去に肘のけがをしたことがある人は特に注意が必要で、再発や変形の進行を防ぐために、専門医による定期的なチェックやリハビリを受けることをおすすめします。肘に違和感や痛みを感じた際は、「たいしたことはないから」と自己判断で放置せず、早めに整形外科を受診して適切な診断・治療を受けることが予防につながります。

まとめ

変形性肘関節症は、症状が進行すると日常生活に大きな支障をきたします。発症リスクを軽減するためには、肘への過剰な負担を避け、筋力の維持や柔軟性を高める日常的なケアも大切です。肘の違和感や痛みを放置せず、早めに専門医を受診することで、進行にストップをかけ、快適な生活を維持していきましょう。

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この記事の監修者
日本整形外科学会認定 整形外科専門医
小川 祐人

大学病院や総合病院で整形外科診療を重ね、埼玉メディカルセンターに約10年勤務。脊椎手術は累計1,700件以上(腰椎1,100件、頸椎520件、その他80件)、その他手術も460件以上の執刀経験を持ちます。整形外科専門医・脊椎脊髄病認定医・名誉指導医などを有し、首や腰の疾患を中心に幅広い整形外科疾患に対応しています。

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