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頚椎症

頚椎症は、首や肩の痛み、手足のしびれを引き起こすことで自覚症状が現れはじめ、進行すると上肢の筋力低下や感覚障害、歩行困難等、日常生活に支障をきたすことがあります。

 

ここでは頚椎症の原因や症状に対する理解を深めるとともに、治療法や予防と対策について紹介します。

目次

頚椎症とは

頚椎症(けいついしょう)とは、加齢等によって首の骨(頚椎)や椎間板、靭帯等が変形し、痛みやしびれ等の症状を引き起こす病気です。

 

 

首や肩のこり、手足のしびれ、力が入りにくい等の症状が見られます。頚椎症は、圧迫される部位によって大きく2つに分類されます。

 

 

1つは、脊髄が圧迫されて起こる頚椎症性脊髄症(けいついしょうせいせきずいしょう)で、進行すると手足の運動障害や歩行困難が現れます。

 

もう1つは、神経の根元(神経根)が圧迫される頚椎症性神経根症(けいついしょうせいしんけいこんしょう)で、主に右か左、片側の上肢に痛みやしびれが出るのが特徴です。

頚椎症になりやすい人の特徴

頚椎症は主に中高年以降に多く見られますが、特に首に負担がかかりやすい職業や生活習慣の方には注意が必要です。

 

仕事、勉強、生活での様々なストレスと不良姿勢が二大原因となります。スポーツや肉体労働等で首を酷使する人、遺伝的に骨や軟骨が弱い傾向のある人も頚椎症になりやすいとされています。

頚椎症の原因は?

頚椎症は、頚椎のクッションの役目をしている椎間板が加齢とともに変性して骨棘(こつきょく)を形成したり、周囲の靭帯の変性によって脊髄や神経が圧迫されることが原因で起こります。

 

加齢が主な原因とされてきましたが、最近では若年層でストレートネックが原因となる症例も多くみられるようになりました。長時間のデスクワークや不良姿勢、重いものを持つ作業、過去の頚部への外傷等も、頚椎に負担をかけ、頚椎症を引き起こす要因となります。

頚椎症性脊髄症

頚椎症性脊髄症(けいついしょうせいせきずいしょう)は、加齢等によって変形した骨や靭帯が脊柱管にある脊髄を圧迫することで起こります。

 

両方の手足のしびれ、動かしにくさにはじまり、歩行に困難を生じるようになります。

頚椎症性神経根症

頚椎症性神経根症(けいついしょうせいしんけいこんしょう)は、首の骨の変形等によって神経根が圧迫されることで起こります。

 

左右どちらかの肩から腕、手指にかけての痛みやしびれが主な症状です。頚椎症性脊髄症と合併して発症することもあり、症状の程度や範囲には個人差があります。

頚椎症の症状は?

頚椎症性脊髄症では、脚のもつれや歩行の不安定、階段の上り下りが困難になる等の運動障害や、尿が出にくい・頻尿等の排尿障害も見られます。

 

頚椎症性神経根症では、肩から腕、指先にかけて放散するような痛みやしびれが特徴です。これらの症状の多くは片側に見られます。

頚椎症性脊髄症

頚椎症性脊髄症の主な症状は下記になります。

 

・頭部(頚の後ろの部分)の痛み

・しびれ感・感覚異常

・手脚の知覚障害

・手先の細かい作業が不自由になる

・歩行障害

 

進行すると階段の昇降やボタンのかけ外し等が難しくなる他、膀胱直腸機能に影響し、排泄障害を伴うこともあります。症状はゆっくりと悪化していくのが特徴です。

頚椎症性神経根症

頚椎症性神経根症の主な症状は下記になります。

 

・しびれ感・感覚異常

・頚部(頚の後ろの部分)の痛み

・手の知覚障害

 

首から肩、腕、指先にかけての痛みやしびれが生じます。特に片側に症状が現れることが多く、咳やくしゃみ、首の動きで電気が走るような痛みが出ることが特徴です。

頚椎症の検査と診断

頚椎症の診断では、まず患者様の症状や生活習慣を詳しく聴取し、問診を行います。その後、神経学的な診察を通じて、感覚や筋力、反射等の異常を確認します。

 

診断がつかない場合や、より詳しく状態を把握するためには、X線(レントゲン)検査やMRI検査を行い、頚椎の変形や椎間板の状態、神経根の圧迫を確認します。

頚椎症の治療法

頚椎症の治療は、症状の進行度合いや患者様の症状、生活様式に合わせて行います。

 

初期段階では、保存療法が主に選択され、薬の服用や理学療法等で痛みがコントロールできない場合は、神経ブロック注射を使用します。日常生活では、首への負担を軽減する姿勢や動作指導を行い、痛みが出にくい生活習慣への改善が重要となります。

 

頚椎症性脊髄症の場合、進行すると転倒や軽微な外傷で四肢麻痺を引き起こすリスクもあるため、早期の治療が求められます。著しい筋力低下が見られる場合や、痛みが強く日常生活に支障が出ている場合は、手術治療が検討されます。

保存療法

頚椎症の治療では、基本的に保存療法が選択されます。

 

軽度の症状の場合、首への負担を軽減する姿勢や動作を指導し、痛みを緩和するために温熱療法や軽いストレッチが推奨されます。頚椎の動きを制限して負担を減らすために、装具を使用することもありますが、基本的には痛みがひどくならない程度に動かしながら治療します。

 

保存療法では痛みを取り除いた後は、気長に治療を継続することが重要となります。

薬物療法

薬物療法では、痛みの軽減や炎症の抑制を目的とした「非ステロイド性消炎鎮痛剤」を使用し、首や肩の痛みが和らげます。

 

また、しびれや鈍痛には「神経障害性疼痛治療薬」、筋肉の緊張を和らげ、症状を軽くする「筋緊張弛緩剤」も使用されることがあります。

牽引療法

牽引療法は、首に軽い引っ張りを加えて頚椎の間隔を広げ、神経の圧迫を和らげる治療法です。これにより、痛みやしびれが軽減されることが期待できます。

 

適切な力加減や引っ張る方向の見極めが治療の要となるので、医師や理学療法士の指導のもとで行うことが重要です。

装具療法

装具療法は一般的に、頚椎カラー(首を支える装具)を使用し、頚椎を固定して動きを制限することで、首への負担を減らすものです。装着による安心感で痛みが軽減する方もおられます。

 

一時的に使用することはありますが、基本的には動かしながら治療を進めていきます。

温熱療法

温熱療法は、筋肉の緊張や痛みを和らげる効果があります。

 

温かい湿布や温熱パッドを使うことで血行が促進され、筋肉がリラックスします。これにより、首の筋肉や周囲の組織の緊張による痛みの軽減が期待できます。

理学療法

理学療法は、首や肩の筋力を強化する運動やストレッチを行います。

 

姿勢の改善や筋肉の柔軟性の回復・向上によって、症状の緩和が期待できます。また、日常的に首周囲の筋肉や組織の緊張を解消するストレッチを行うことで、再発予防にもつながります。

神経ブロック療法

神経ブロック療法は、頚椎症による強い痛みが続く場合に行われる治療法です。局所麻酔薬やステロイド剤を神経の周囲に注射することで痛みを軽減し、炎症を抑えます。

 

この治療は痛みの管理を目的に行われますが、効果は一時的で根本的な解決策ではなく、他の治療法と併用されることが一般的です。

手術療法

上記の治療法で効果が得られない場合、手術療法が検討されます。

 

手術では、圧迫されている神経や脊髄を解放するために、頚椎の一部を除去したり、人工椎間板を用いる方法があります。

頚椎症の予防と対策

頚椎症を予防するためには、日常生活で首に過度の負担をかけないことが大切です。

 

長時間同じ姿勢をとらないようにし、パソコンやスマートフォンを使用する際は、首を曲げ過ぎないよう心掛けましょう。

 

また、首や肩の筋肉を鍛えるための適度な運動も大切です。毎日のストレッチを習慣にしましょう。特に、肩甲骨を動かす運動や、首周りの筋肉をほぐす動きをするとよいでしょう。

 

睡眠中の枕の高さにも気をつけ、首に負担の少ない姿勢で眠ることが予防につながります。特に、首の後傾で痛みが出る方は、低い枕は避けてください。

 

このように日常生活での姿勢に気をつけることで、頚椎症のリスクを減らしましょう。

まとめ

頚椎症は、首の痛みやしびれ、歩行障害等の症状が生活に大きな影響を与えますが、早期に適切な治療を受けることで、症状の進行を防ぎ、生活の質を維持することが可能です。
日常的な姿勢の改善や運動、ストレッチを取り入れることで頚椎症を予防し、痛みやしびれなどの症状が出た場合はすみやかに整形外科を受診してください。

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この記事の監修者
日本整形外科学会認定 整形外科専門医
小川 祐人

大学病院や総合病院で整形外科診療を重ね、埼玉メディカルセンターに約10年勤務。脊椎手術は累計1,700件以上(腰椎1,100件、頸椎520件、その他80件)、その他手術も460件以上の執刀経験を持ちます。整形外科専門医・脊椎脊髄病認定医・名誉指導医などを有し、首や腰の疾患を中心に幅広い整形外科疾患に対応しています。

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