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変形性肩関節症

変形性肩関節症は、加齢や肩の使いすぎなどにより、肩関節の軟骨がすり減り、関節が変形してしまう疾患です。肩の可動域が狭まり、痛みや動かしづらさが生じるため、衣類の着脱や洗髪といった日常動作にも支障をきたすことがあります。

 

中高年を中心に増加しており、放置すると手術(人工関節置換術)が必要となるケースもあります。早期の診断と適切な治療が進行を防ぐカギとなります。

目次

変形性肩関節症とは

変形性肩関節症とは、肩関節の軟骨がすり減り、関節の動きが悪くなることで痛みや運動制限を引き起こす疾患です。加齢や使いすぎにより、肩関節の軟骨が徐々に摩耗し、骨同士がこすれ合うようになると、炎症が起こり骨の変形が生じます。

 

肩関節は全身の中でもっとも可動域が広い関節であり、日常生活の多くの動作に関与しているため、症状が進行すると衣類の着脱や洗髪といった日常動作にも支障をきたします。

変形性関節症の中では、常に体重のかかる股関節や膝に比べれば発現率は低いものの、近年では全体的に中高年以降に多く見られるため、注意が必要です。

変形性肩関節症の原因

変形性肩関節症の原因としては、下記のものが挙げられます。

  • 加齢
  • ケガ(骨折や脱臼)
  • 肩の使いすぎ
  • 関節リウマチ

主な原因は加齢による関節軟骨の摩耗です。関節軟骨は骨の端にあり、関節のスムーズな動きを支えていますが、年齢とともに弾力性が失われ、徐々にすり減っていきます。

 

また、過去の肩の外傷(骨折や脱臼など)や反復動作による使いすぎ、関節リウマチなども発症の引き金になることがあります。

 

特に肩関節の酷使や不自然な負荷が続いた場合、軟骨の劣化が早まり、骨の変形や関節の炎症を伴って進行していきます。こうした背景から、高齢者やスポーツ歴のある人、肉体労働に従事している人に多く見られます

変形性肩関節症の症状

もっとも代表的な症状は肩の痛み可動域の制限です。初期は特定の動作時に肩の違和感や痛みを感じる程度ですが、進行するにつれて痛みが慢性化し、動かすたびに強い痛みを伴うようになります。寝返りを打つたびに痛みが走り、安眠できなくなることもあります。

 

関節の変形が進むと、関節内で骨がぶつかり合い、動作時にゴリゴリとした音(摩擦音)を生じることもあります。また、腕を上げたり後ろに回したりといった動作が困難になるため、洗髪や洗濯物を干すなど、肩を高く使う日常動作に支障をきたします。

 

さらに、肩周囲の筋肉がこわばり、筋力が低下することで肩の動かしづらさが悪化します。生活全般に大きな影響を及ぼすようになるため、早めの受診が大切です。

 

夜間痛や安静時の不快感

変形性肩関節症が進行すると、夜、寝ている時に痛みで目が覚めてしまう夜間痛や、肩を動かさずリラックスしている安静時にも痛みが現れることがあります。

 

これは関節の炎症や関節内圧の上昇、筋肉の緊張などが影響していると考えられています。

特に夜間、横になった姿勢では肩への血流や圧力のバランスが変化し、炎症部分が刺激されて痛みが強まる傾向にあります。

 

仰向けや横向きで寝る際、痛みのある肩が圧迫されることで寝返りが打てなくなり、熟睡できずに睡眠不足が続いてしまうことも。安静にしていても疼くような痛みが続く場合は、関節内に炎症性の液体(関節液)がたまり、関節包や周辺組織を圧迫している可能性もあります。夜間痛が長引くと睡眠の質が低下し、日中の疲労やストレスの要因となるため、早期の対処が重要です。

変形性肩関節症と似たような疾患

変形性肩関節症と症状が似ている疾患には、下記のようなものがあります。

  • 肩関節周囲炎(五十肩)
  • 腱板損傷
  • インピンジメント症候群
  • 石灰沈着性腱炎
  • 関節リウマチ

五十肩は肩関節周囲の炎症により可動域が制限される疾患で、一時的なものが多く、一定期間で自然に治ることもありますが、変形性肩関節症は関節の構造的な変形が進むため、自然に治ることはありません。

 

腱板損傷は特に腕を上げる動作の際に鋭い痛みが生じ、痛みを避けるために運動障害や筋力低下を起こします。

 

石灰沈着性腱炎は腱に石灰が沈着して炎症を起こすもので、突然の強い痛みが特徴です。

 

インビンジメント症候群は、肩の関節で骨や軟部組織が衝突または圧迫されることによって、痛みや炎症を引き起こす疾患です。特に、肩を上げる動作(オーバーヘッドスポーツなど)を繰り返すことで発症しやすいといわれています。

 

関節リウマチは自己免疫疾患であり、関節の腫れや全身倦怠感を伴うことが多く、複数の関節に同時に症状が出ることが特徴です。これらの疾患と鑑別するためには、詳細な問診、身体所見、画像検査が必要です。

変形性肩関節症の検査と診断

変形性肩関節症の診断には、まず問診と視診・触診によって痛みの部位や動きの制限の程度を確認します。変形性肩関節症の画像診断は、主にX線(レントゲン)検査によって行います。

 

X線検査では、軟骨の減少で関節の隙間が広くなっていないか、骨の突出がないか、肩甲骨関節窩や上腕骨頭の変形がないか、変形の程度等を確認します。

 

X線では確認しづらい腱板や軟部組織の損傷が疑われる場合は、MRI検査を行うこともあります。必要に応じて超音波検査を併用し、肩関節周囲の状態をより詳しく観察することもあります。症状が似ている他の疾患との鑑別も重要なため、正確な診断には複数の検査を組み合わせることが一般的です。

変形性肩関節症の治療法

変形性肩関節症の治療は、症状の進行度や日常生活への影響に応じて段階的に選択されます。

 

初期には薬物療法や注射療法、物理療法、リハビリテーションによる保存療法が中心となり、痛みや炎症の軽減、関節機能の維持を図ります。保存療法で改善が見られない場合には、人工肩関節置換術といった手術療法が検討されます。

 

また、近年は低侵襲かつ回復の早い再生医療も注目されており、患者様の症状やニーズに応じ、治療方針を決定しています。

保存療法

初期には薬物療法(消炎鎮痛剤の内服や外用)、物理療法(温熱療法・電気治療など)を行い、炎症や痛みを抑えます。

 

薬物療法では、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)アセトアミノフェン等が処方されます。また、運動療法(リハビリテーション)で肩関節の動きを改善するストレッチや筋力トレーニングを行い、可動域を保つことで進行を防ぐことが可能です。

 

夜間痛や強い炎症がある場合には、関節内へのステロイド注射が行われることもあります。

手術療法

保存療法で十分な効果が得られない場合や、関節の変形が著しく日常生活に大きな支障をきたしている場合には、人工肩関節置換術が検討されます。

 

この手術では、傷んだ関節を人工の部品に置き換えることで大幅に痛みを軽減し、関節の機能を回復させることができます。ただし、人工関節の寿命や感染症等のリスクも考慮する必要があり、患者の年齢や活動レベルに応じた治療方針の選択が重要です。

再生医療

近年では手術を回避する治療として、再生医療も注目されています。

 

再生医療は、これまで修復が不可能といわれていた組織の再生が可能で、侵襲が少ない画期的な治療方法です。侵襲が少ないため、治療後の回復が早いのも特徴です。

変形性肩関節症を予防するには

予防には、肩への過度な負担を避け、日常的にケアする習慣をつけることが大切です。

 

まず、肩関節の柔軟性を保つためのストレッチや軽い運動を日常生活に取り入れましょう。特にデスクワークやスマートフォンを長時間使用することによる姿勢不良は肩に負担をかけやすいため、定期的な姿勢の見直しと休憩が大切です。

 

また、重い荷物を一方の肩ばかりで持つ癖があると、左右のバランスが崩れ、肩の関節に負荷がかかります。荷物は適宜持ち直し、どちらか片方の肩にばかり負担がかからないようにしましょう。

 

こうした生活習慣を一つひとつ見直すことが、肩関節の変性を防ぐ第一歩です。加齢による変性は避けられない面もありますが、運動療法などを通じて肩周囲の筋力を維持することで、関節への負担を軽減し、進行を遅らせることができます。

まとめ

変形性肩関節症は、初期の段階では保存療法やリハビリによって症状の緩和が期待できますが、
進行すると手術が必要になる場合もあります。肩の痛みや動きづらさを感じたら、放置せずに早めに整形外科を受診して診断を受けましょう。
生活習慣を見直し、肩関節に過度な負担をかけないことも、予防と進行の抑制に有効です。肩関節を健やかに保ち、機能を維持するためにも肩へ負担をかけすぎない生活習慣と、痛みや違和感を放置しない意識を持つことが大切です。

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この記事の監修者
日本整形外科学会認定 整形外科専門医
小川 祐人

大学病院や総合病院で整形外科診療を重ね、埼玉メディカルセンターに約10年勤務。脊椎手術は累計1,700件以上(腰椎1,100件、頸椎520件、その他80件)、その他手術も460件以上の執刀経験を持ちます。整形外科専門医・脊椎脊髄病認定医・名誉指導医などを有し、首や腰の疾患を中心に幅広い整形外科疾患に対応しています。

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